第二回関ジャニ∞自由研究展示会場

#SUPEREIGHT自由研究会

ただいま第2回関ジャニ∞自由研究の展示を行っています

関ジャニ∞とぬい文化の融合についての考察【塩津】

 

序論

 『ぬい』とはぬいぐるみの略であり、今やアクリルスタンドと双璧をなす、オタク御用達のキャラクターグッズである。このぬいぐるみを撮影する文化は「ぬい撮り」と呼ばれ、古くは2004年のmixiコミュニティ「ぬいぐるみを撮る人々」の掲示板の中で使われ始めたことに端を発している。その後、アニメ『Free!』のぬい人気をきっかけに二次元の代表的なキャラクターグッズとして広く認知され、さまざまな『ぬい』が誕生した。

 オタクたちがぬいと一緒に外出し、さまざまな経験・体験を共有し、SNSにアップする様は当たり前にみられるようになり、ぬいは思い出の形成ツールとしてオタクの人生に寄り添ってきたと言えよう。

 本文の目的は、関ジャニ∞界隈においてぬいカルチャーが根付いた背景及び意義について考察することである。

 

 

関ジャニ∞はいかにしてぬいになったか

 関ジャニ∞は三次元であるが、ぬいになるには一度二次元になる必要があった。

 関ジャニ∞のぬいのデザインは、リサイタル お前のハートをつかんだる!!と並行して行われた、ご当地関ジャニプロジェクトという企画にて、ご当地名物に扮装した関ジャニ∞が登場したのがおそらく始まりである。このイラストは個人の特徴をよくとらえており*1、ほどよくデフォルメされた二頭身であり、ファンにも好評であった。このデザインは、続く、関ジャニ∞の元気が出るCD!!や、関ジャニ∞の元気が出るLIVE!!で使われた気球、関ジャニ∞リサイタル 真夏の俺らは罪なヤツのツアーグッズキーホルダーなどに用いられ、ファンの間に浸透していくこととなる。

છબી

 つまり、関ジャニ∞がぬいになったのはここ1~2年のことであるが、その土壌は2015年より育まれていたのである。

 

 また、関ジャニ∞のぬいの歴史を語るうえで、欠かせないのがGR8EST BABYである。7人時代最後のアルバムとなったGR8ESTではGR8EST BABYという7人の遺伝子の結晶の赤ちゃん(概念)が出現し、オタクを多いに困惑させた。*2この時点で、GR8EST BABY はメンバーの顔から錬成された三次元の赤ちゃんであった*3が、続くKANJANI'S EIGHTERTAINMENT GR8ESTではツアーグッズにまでGR8EST BABYなるものが出現し、オタクをさらに動揺させた。このGR8EST BABYは約30cmの大きさのぬいぐるみであり、カバンにそっと忍ばせるのにはかなり大きく『ぬい』とは少し異なる様相であったが、ともあれ関ジャニ∞にぬい文化を生み出したきっかけとして、GR8EST BABYの存在は偉大である。

 翌年の十五祭のグッズではGR8EST BOY(6種)が発売された。GR8EST BABYが成長してGR8EST BOYになったという設定だが、ここまでくると関ジャニ∞のぬい(大)といっても差し支えない。このグッズをファンはBOYくんと呼び、赤子を育てるかのように慈しんだ。また、このツアーでは会場に設置されたのぼりにもBOYのイラストが使用さており、その存在感はクチビルくんをも上回るものであった。

 

 日替わりで登場する関ジャニ∞BOY(特大)で歴代のユニットを再現し、渋谷さんや内さんのBOYを作るなど本人はおらずとも関ジャニ∞の15年の中に彼らが存在したことを証明してくれた。実際のステージでは、本人とぬいがコラボするなど、三次元ならではの楽しみもあり、最初から最後までぬいづくしであった。この頃から関ジャニ∞BOYもとい関ジャニ∞ぬいは、関ジャニ∞になくてはならないグッズに進化していく。

 

 

関ジャニ∞とファンを繋ぐぬい ~そしてちびぬいへ~

 関ジャニ∞が5人となり、47都道府県ツアーが始まると、連動企画として47diaryが開始された。公式からは、関ジャニ∞と共に全国を旅するGR8EST BOYの写真がアップされ、そのほほえましさが話題となった。また、ファンは購入したBOYを用いてご当地らしい写真を作成し、ツイッターにアップすることで、関ジャニ∞本人がご当地ベストBOYを選んでくれるという交流ツールとしての役割も担っていた。衣装を作成する者も現れ、某D社のテディベアのような楽しみ方もできるようになった。

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 またこの頃、大倉さんがジャニーズウェブ内のブログで「BOYが愛しくて仕方ない」と発言したことをきっかけに、しきりにぬい愛を語り始めるようになった。小ちゃい、ぬいちゃんを作り、Kimmy、Sindy、Marry、Shorty、Taddyと命名するなど、彼のぬい愛は海よりも深く、人々は彼をぬい社長と呼び崇めた。

 この小ちゃい、ぬいちゃん(以下ちびぬい)は、肌触りにもこだわり、ボールチェーンをつけることで持ち運びやすくするなど、ぬい社長によるこだわりが随所にみられている。特にファンからも本人からも疑問視されていた、安田さんの顔デザインが大きく変わったことには注目したい。大倉さんデザインのちびぬいは、関ジャニ∞TV*4にて決起集会と称した宣伝が行われた。

 

 

関ジャニ∞の化身として

 関ジャニ∞にはアクスタもあるが、アクスタと決定的に違うと感じるのは、ぬいはより本人の代役になりうるということである。

 47diaryには、ぬいが関ジャニ∞の後輩のなにわ男子やAぇ!groupのコンサートに行っているかのような写真がアップされている。たとえ本人のコメントや写真がなくても、関ジャニ∞が後輩を応援していることが伝わってくる。また、十五祭しかり、関ジャニ∞TVの夜な夜なクリスマス会しかり、不在のメンバーのぬいをそっと置くことで、特に言及しなくてもそのメンバー愛を感じることがある。大倉さんが体調不良でラジオやコンサートに出られなかったときは、代役を務めてくれた倉ぬいがカメラに抜かれるシーンが印象的であった。

 関ジャニ∞はジャニーズのアイドルということで、一部ネットメディアに写真が載るようになったものの、未だ載せにくい部分はある。そんな状況で丸山さん主演の大江戸ジャーニー公式アカウントは、丸ぬいを辰五郎*5ぬいに仮装させて、うまくドラマを盛り上げた。

 このように、衣装を着せかえることができるというのも、ぬいならではの魅力であるように思う。

 ぬいは時に我々の代わりにもなってくれる。このコロナ禍でリモートコンサートが行われた際に、関ジャニ∞のことを客として見守ってくれたのはぬいたちであった。ファンの代わりに関ジャニ∞に常に寄り添うその姿には温かみが感じられ、ファンも思わず微笑んだことだろう。

 GR8EST BABYを抱え、ガラガラを振りながらファンが涙したあの狂気的な日々は無駄ではなかった。すべては今日のぬい文化へと昇華したのだ。

 

 

拡大するぬい勢力

 さて、47ツアーグッズではぬいの毛布が販売され、うちわの裏面はちびぬいとなった。47都道府県ツアーにてCD購入特典としてご当地限定缶バッチがあったが、それらもすべてぬいの絵である。また、先日Johnny's Smile Up ! Projectの一環として関ジャニ∞のスタンプが出たが、これもぬいの絵で描かれている。

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これらの事実はぬいイラストの汎用性の高さを強く示しており、同時に関ジャニ∞におけるぬい勢力が日々拡大していることを意味している。

 ぬいの力は関ジャニ∞だけにとどまらない。この夏、Johnny's DREAM IsLAND 2020→2025 ~大好きなこの街から~という題で関西ジャニーズによるオンライン配信が行われ、そこでは関西ジャニーズ他グループのぬいも出てきたと聞く。そのうち販売が行われ、ジャニーズのぬい文化はアクスタ文化に続く一大文化となるかもしれない。

 

 

関ジャニ∞のちびぬい

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 ちびぬいは大倉さん自らが事細かにこだわっただけあって、とても愛らしく、見るのも楽しいこだわりが詰め込まれている。ちびぬいの裏にあるもの、それは大倉さんをはじめとする関ジャニ∞からの愛であったり、GR8EST BABY等にみられる関ジャニの歴史だったりする。

 

 密を避けなければいけない今だが、ぬいはどれだけ密になっても安全である。コロナの時代、関ジャニ∞と我々をつないでくれるものとして、ぬいの活躍には今後も期待したい。未来で関ジャニ∞を好きになってくれるファンのためにも、ぜひぬい社長には定期的にぬいの通販を行ってほしいものである。

 

 

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*1:安田さんについては様々な意見あり

*2:201∞限定盤 HELLO! GR8EST BABY!!参照

*3:非実在

*4:ファンクラブ会員限定動画、5人体制になった2019年11月から2020年6月までに100本以上、トータル13時間に及ぶ動画が期間限定で配信された

*5:丸山さん演じるキャラクター名